After Effects Tips 看板を差し替える方法

After Effects Tips 看板を差し替える方法

概要

ロゴを差し替える

After Effectsで看板の文字を消してロゴに差し替える方法をご紹介します。

映像素材について

本Tipsで使用している映像素材は「Pixabay」からダウンロードしたものです。素材名「48985
使用の際は「よくある質問」や「サービス規約」に目を通しておくようにしましょう。

動画解説

トラッキング

フッテージをシーケンスに載せる

最初に看板の文字を消していきます。
フッテージをシーケンスに載せます。

メニューバーにある【ウィンドウ】をクリックし、【トラッカー】をクリック

メニューバーにあるウィンドウをクリックし、トラッカーをクリックします。

【トラック】をクリック

トラッカーパネルが表示されるので、フッテージを選択した状態でトラックをクリックします。

【トラックポイント 1】がパネル内に表示

レイヤーパネルが表示されてトラックポイント 1がパネル内に表示されます。

次に映像を再生して、位置・回転・スケールに変化があるか確認し、欲しい情報のチェックボックスにチェックを入れます。

位置・回転・スケールのすべてにチェック

今回はパースが変化しているので、位置・回転・スケールのすべてにチェックを入れます。
チェックを入れた数が多いほど分析に時間がかかりますが、詳細な情報を得られます。

2個以上にチェックを入れると2点のトラックポイントが表示

2個以上にチェックを入れると2点のトラックポイントが表示されます。

したい対象物の対角線でトラックポイントを指定

2点の場合、消したい対象物の対角線でトラックポイントを指定します。

対象点を囲ってターゲット領域と検索領域を指定

対象点を囲ってターゲット領域と検索領域を指定します。
ターゲット領域と検索領域については以下のTipsで解説しているので詳しくはこちらをご覧ください。

【分析】の【再生方向に分析】をクリック

領域指定の調整が完了すれば分析再生方向に分析をクリックすると、自動でフレーム間の分析が行われます。

分析が終わると全体を見直してターゲット領域がズレていないか確認をします。
ズレていればトラックポイント・領域範囲を調整して分析しなおします。

ニューバーにある【レイヤー】をクリックし、【新規】から【ヌルオブジェクト】をクリック

ターゲットを設定するためにヌルオブジェクトを使用します。
メニューバーにあるレイヤーをクリックし、新規からヌルオブジェクトをクリックします。
ショートカットキーoption ⌥+shift ⇧+command ⌘+Yでも作成することができます。

【ターゲットを設定】をクリックします。

ターゲットを設定をクリックします。

レイヤーの適用先がヌルオブジェクトであることを確認して【OK】をクリック

ターゲットダイアログボックスが表示されるので、レイヤーの適用先がヌルオブジェクトであることを確認してOKをクリックします。

【適用】をクリック

適用をクリックします。

【OK】をクリック

モーショントラッカー適用オプションダイアログボックスが表示されるのでOKをクリックします。

インジケーターを0に

0fにインジケーターを移動しておきます。

看板の文字消し

新規平面を作成

ショートカットキーcommand ⌘+Yで新規平面を作成して任意の名称に変更し、OKをクリックします。
今回はkeshiとしています。

【keshi】の【親ピックウイップ】を【ヌル 1】に繋げる

keshi親ピックウイップヌル 1に繋げます。

【keshi】を非表示に
keshi 非表示アップ

一旦keshiを非表示にします。

【ペンツール】をクリック

ツールにあるペンツールをクリックします。
ショートカットキーGでも選択ができます。

【keshi】を選択した状態でマスクを描く
keshi 選択 アップ

keshiを選択した状態でマスクを描きます。

【ペンツール】を長押しして【頂点を切り替えツール】をクリック

曲線にする場合はペンツールを長押しして頂点を切り替えツールをクリックします。

該当する頂点を選択

該当する頂点を選択することで曲線ができます。

【マスクパス】のストップウォッチをクリック

変更されたプロパティを表示し、マスクパスのストップウォッチをクリックします。

終点に移動する

ショートカットキーOで終点のフレームに移動します。

マスクパス調整

終点のフレームに合わせてマスクパスの調整を行います。

これで始点と終点のフレームにパスアニメーションができましたが、インジケーターを手動で動かして確認するとマスクパスがズレている箇所があるので調整します。

マスクのプロパティを開く

調整ができたらマスク 1を閉じて再び開きます。

【マスクの境界のぼかし】の【現在の縦横比を固定】を解除して数値を調整

マスクの境界のぼかし現在の縦横比を固定をクリックしてXの値を0.2、Yの値を40に変更します。

メニューバーにある【エフェクト】をクリックし、【描画】から【4色グラデーション】をクリック

メニューバーにあるエフェクトをクリックし、描画から4色グラデーションをクリックします。

0fに移動してすべてのポイントとカラーのストップウォッチをクリック

ショートカットキーIで0fにインジケーターを移動して、すべてのポイントとカラーのストップウォッチをクリックします。

ポイントはマスクパスの四隅に移動

ポイントはマスクパスの四隅に移動させます。

カラーはスポイトで拾う

カラーはスポイトで色を拾います。

終点のフレームに移動して調整

マスクパス同様終点のフレームに移動して調整を行います。

インジケーターを進め調整
keshiを表示 アップ

keshiを表示してインジケーターを移動させ、変化がある箇所は調整の繰り返しです。

【露出調整】の数値を上げて再生し、マスクバレがないか確認

次に露出調整の数値を上げて再生し、マスクバレがないか確認をします。
色味を変えているので露出の数値を戻して再生し、色味の確認もします。

映像と馴染ませるためにノイズを足す

最後に映像と馴染ませるためにノイズを足します。
keshiを選択した状態で、メニューバーにあるエフェクトをクリックし、ノイズ&グレインからノイズをクリックします。

【ノイズ量】の値を【3】に

ノイズ量の値を3に変更します。

ノイズ適用前
ノイズ適用後

再生してマスク・質感に違和感がなければ、看板の文字の消しの完成です。

ロゴに差し替え

新規コンポジションを作成

次に差し替え用の素材を準備します。
ショートカットキーcommand ⌘+Nで新規コンポジションを作成します。

コンポジション設定

  • コンポジション名:LOGO
  • 幅・高さ:1920×1080
  • フレームレート:29.97/ノンドロップフレーム
  • デュレーション:6:00
プロジェクトパネルにあるロゴデータをタイムラインパネルにドラッグ&ドロップ

プロジェクトパネルにあるロゴデータをタイムラインパネルにドラッグ&ドロップします。

【KESHI】に戻って先程作成した【LOGO】をタイムラインパネルにドラッグ&ドロップ

KESHIに戻って先程作成したLOGOをタイムラインパネルにドラッグ&ドロップします。

メニューバーにある【エフェクト】をクリックし、【Perspective】から【CC Cylinder】をクリック

メニューバーにあるエフェクトをクリックし、PerspectiveからCC Cylinderをクリックします。

【LOGO】の位置を看板の中央になるように調整

LOGOの位置を看板の中央になるように調整します。

【LOGO】のスケールを調整

LOGOのスケールを調整します。

【Radius】でサイズを調整するとロゴが変形してしまう

Radiusでサイズを調整するとロゴが変形してしまうので、一旦ガイドを作成します。

コンポジションパネルにある【ビューアのロックを切り替え】をクリックして、【KESHI】のビューアをロック

コンポジションパネルにあるビューアのロックを切り替えをクリックして、KESHIのビューアをロックします。

その状態で【LOGO】を開く
LOGOを開く アップ

その状態でLOGOを開きます。

【LOGO】のコンポジションパネルをパネル端にドラッグするとドッキングゾーンが表示される

LOGOのコンポジションパネルを上図のようにドラッグするとドッキングゾーンが表示されます。

マウスボタンを離すと2画面になる

マウスボタンを離すと2画面になります。

【LOGO】の中に新規平面を作成

LOGOの中にショートカットキーcommand ⌘+Yで新規平面を作成します。

2画面比較しながら調整

Radiusの直径に合うように2画面で見ながらLOGOのコンポジションのサイズを変更します。

コンポジション設定ダイアログボックスを開き、サイズを変更し【OK】をクリック

ショートカットキーcommand ⌘+Kでコンポジション設定ダイアログボックスを開き、サイズを変更しOKをクリックします。今回は以下のように変更しています。

コンポジション設定

  • 幅・高さ:2400×500
平面もコンポジションサイズに合わせます。平面設定ダイアログボックスを開き、【コンポジションサイズ作成】をクリックし【OK】をクリック

この時、平面もコンポジションサイズに合わせます。ショートカットキーcommand ⌘+shift ⇧+Yで平面設定ダイアログボックスを開き、コンポジションサイズ作成をクリックしOKをクリックします。

コンポジション調整後

これで直径が合いました。

不透明度を下げる

調整ができたらKESHIに戻ります。
ショートカットキーTLOGOの不透明度を開き、値を50に変更し、これをガイドに調整していきます。

位置・スケール・【Rotation】で調整

ガイドを見ながら位置・スケールを調整し、Rotationでパース感を合わせます。

ガイドの【ホワイト平面1】を非表示に
ホワイト 平面 非表示 アップ

調整ができたら、ガイドのホワイト平面1を非表示にします。

ロゴのスケール調整

ロゴのサイズを調整します。

【ビューアのロックを切り替え】を解除

ビューアのロックを切り替えを解除します。

重複したコンポジションパネルを閉じる

重複したコンポジションパネルを1つ閉じます。

【KESHI】に戻る
KESHIに戻る アップ

KESHIに戻ります。

【LOGO】の【親ピックウイップ】を【ヌル 1】に繋げる

LOGO親ピックウイップヌル 1に繋げます。

素材の位置と合うように始点と終点にキーフレームを打って調整

素材の位置と合うように始点と終点にキーフレームを打って調整します。

映像に馴染ませる

再生して確認してみます。

【CC Cylinder】の値を調整

あとはもう少し馴染ませるようにブラーやノイズを使って調整します。
まずCC Cylinderの値を以下のように変更します。

CC Cylinder設定

  • Light
    • Light Intensity:0
  • Shading
    • Ambient:80
エフェクトの【ブラー(ガウス)】、【ノイズ】、【色相/彩度】適用

今回はLOGOブラー(ガウス)ノイズ色相/彩度のエフェクトを適用し値を以下のようにしています。

ブラー(ガウス)設定

  • ブラー:1.5

ノイズ設定

  • ノイズ量:5.0
  • クリッピング:クリップ結果値のチェックを外す

色相/彩度設定

  • マスターの彩度:-20
【LOGO】を複製し、【CC Cylinder】以外のエフェクトを削除

LOGOをショートカットキーcommand ⌘+Dで複製し、CC Cylinder以外のエフェクトを削除します。

グラデーションを適用し描画モードを乗算

複製したLOGOグラデーションを適用し、描画モードを乗算にします。

不透明度を調整

不透明度を調整します。

【グラデーション】の【開始色】と【終了色】を看板の陰影に合うように調整

最初のフレームに戻り、グラデーション開始色終了色を看板の陰影に合うように調整してキーフレームを打ちます。

インジケーターを進める

インジケーターを進め、変化のあったフレームにキーフレームを打ち調整を繰り返します。

調整後

最終フレームまで調整できたら完了です。

これで看板の差し替えができました。


information

検証日:2024-8-20
環境:macOS Sonoma(14.4.1) / After Effects 2024(24.5.0)